通信制高校に行きたい場合、どのような学校かを理解することが大切です。通学スタイルや勉強方法は全日制高校とは異なるため、自分に合っているかを確認することも必要でしょう。そこで、通信制高校の特徴や通学スタイル・学習スタイルなどをご紹介します。
また、通信制高校に通うメリットと注意点もご説明しますので、参考にしてみてください。
通信制高校とは?
通信制高校とは、インターネットやプリントによる自宅学習を行う学校のことです。一定の卒業要件があり、それを満たせば高校卒業資格が得られます。通信制高校であっても、全日制や定時制高校卒業で得られる資格は同じです。
全日制や定時制高校と異なる点は、通学スタイルや単位制であることでしょう。特に学年制は採用せず、必要な単位を取得するスタイルになるため、留年という概念はありません。高校在籍日数の条件はありますが、自分のペースで勉強をして単位取得するため、3年で卒業する人もいれば、5年以上かける人もいます。
通信制高校の通学・学習スタイルとは?
通信制高校に行きたい場合は、通学スタイルが合う学校を選ぶことが大切です。通信制高校は公立もありますが、一般的には私立として運営しています。私立の場合、学校の特長を通学スタイルや勉強方法でアピールすることがあり、登校する日数も学校によって異なるのです。
例えば、週に1回の登校が必要な場合もあれば、1ヶ月に1回~2回の登校日を設けている学校もあります。登校日は教師との面談や相談を行う日で、集団での授業をすることはほぼありません。ただし、数ヶ月に1回の集団授業や合宿をする学校も存在します。
一般的な通信制高校の学習スタイルは、自宅学習です。穴埋め問題のテキストやプリントがあり、自分で教科書や辞書で調べながら解いていきます。登校日までに学習したものを提出しておき、その正答率や進み具合を参考にしながら、教師と面談や相談をするのです。
また、学校によってはe-ラーニングやインターネット授業を採用し始めました。通信制高校に通う生徒の性格や現状に合わせた学習が選択できるように、通学スタイルや学習スタイルは年々変化しているのです。
どのような人が通っている?
通信制高校にはどのような生徒が通っているかを把握しておくことが大切です。全日制や定時制高校と比べて、他の生徒と話をする機会は少なくなるでしょう。ただし、登校日や合宿で一緒になる場合もあるため、どのような人がいるかを確認しておくことは必要です。
例えば、全日制高校に通うのが困難になった人がいます。具体的には病気や入院で欠席が多かった人、集団生活が嫌い・苦手と感じる人などです。全日制高校は1年間に通学しないといけない日数が決まっているため、それが不可能だった人が転入している場合があります。
アスリートや起業をしている人など、他のことが忙しくて高校に通えない人も通信制高校を利用しています。また、通信制高校は年齢制限がないため、働きながら通うことも可能です。高校を中退した人や中学卒業後に就職した人は、高校卒業資格を取得するために通信制高校に通っている場合があります。
通信制高校は、さまざまな事情を抱えた人も多く、それぞれの目標やニーズを理解して、受け入れてくれる学校です。よって、通信制高校へ行きたいという意欲があれば、高校卒業資格を得るまで通えるサポートもしてくれるでしょう。
通信制高校に通うメリットと注意点
通信制高校に通うメリットは、生徒それぞれのペースで学習できることです。自宅学習になるため、勉強をする時間をしっかりと計画できれば、プライベートの時間も十分に確保できます。通学する時間や手間も少ないため、学習以外にも力を入れていることがある人には向いているでしょう。
また、全日制や定時制高校と卒業資格は同じになるため、全日制高校に通うのが困難な人でも卒業資格を得られます。性格や体力的なことで高校卒業を諦めていた人でも、高校卒業資格を得たことで、次のステップに踏める可能性が高いです。
高校卒業資格があれば、大学進学や就職など、新しいことにも挑戦しやすくなるのはメリットでしょう。通信制高校に通うと決めた時には、自分自身で学習スタイルを確立し、継続的に行える環境を整えないといけません。途中で自宅学習や登校日が億劫になると、なかなか単位取得できないのはデメリットです。
自分のペースで学べるのはメリットですが、自己管理能力がないと挫折する場合もあります。また、友人や知り合いを作る機会も少ないため、他人と話したりコミュニケーションをとったりする機会は少ないです。ただし、通信制高校でも部活やサークル活動ができる学校もあります。
さらに、通信制高校の学習スタイルは穴埋め問題でテキストを進めることが多く、難関大学の受験に応用できるレベルまで到達できないこともあるので、注意が必要です。
通信制高校の入試や入学時期とは?
通信制高校に入学する時には、入学試験が必須です。学校によって内容は異なりますが、書類審査と学力試験・面接・作文が行われます。また、書類審査だけで受かる通信制高校もありますが、基本的には学校側が学力や状況を知るために、何かしらの試験を受けることが多いです。
学力試験の結果で落とされることは少なく、多くの人は通信制高校への入学が許可されます。さらに、面接では「学ぶための意欲」「継続的に学べるか」を見ているでしょう。通信制高校では自分のペースで勉強をしていくため、継続できないとなかなか単位取得ができません。
通信制高校に入学したい理由や継続できる力なども判断し、入学を許可しています。通信制高校に入学できる時期は、年間を通して可能になっています。勉強の進み具合は生徒それぞれ異なるので、どの時期に入学しても構いません。
学期制でもないため、必要な単位数と高校在籍日数の要件を満たせれば、卒業できます。今までに通っていた高校の在籍日数も考慮されるため、場合によっては3年以内に卒業できるでしょう。一方、全日制高校や定時制高校は4月に入学や進級をするのが一般的です。
転入に関しては、他の学校で同様の内容を学んだことが確認できれば、年間を通して対応しています。ただし、編入ができる時期は4月と10月のみです。卒業する時期も3月と決まっていて、卒業に必要な要件を満たせなかった場合は留年になります。